平成30年度都立高校入試【社会】入試問題分析

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3月 062018
 

【総論】難易度は例年と比べるとやや難しいと思われる。前年との違いは大問4・6での並び替えが1題増えて2題になったことによって完全正答しなくてはならない問題が計4題になったため正答率は下がったといえる。地理分野に関してはマニアックな国や県が出題されることはなく例年通りの出題範囲になる。歴史分野に関しては自校作成校と共通問題校との差を意識してか大問1の問2のように今で出題されなかった古代文明の範囲も出題された。また歴史は近現代で多少細かな年代を聞いてくるようになってきたので今後はやや細かな部分まで年表を暗記する必要性を感じる。公民分野では2000年以降の現代に関する問題が出題された。1900年後半までを押さえる以外にも今後は対策が必要になってくる。

今後のポイントとして地理分野はヒントとなるキーワードや表・グラフの特徴をもとに国名や県名を探せるようになることが必要になる。歴史はより細かい部分まである程度年表を押さえること。地理と歴史はどこを根拠に正解したのかが重要になる。なんとなく解いていては安定した成績を取ることはできない。正解以外にも他の選択肢はどれに当てはまるのかしっかりと確認することが高得点の近道になる。公民分野は平成から現代までの出来事をしっかり順序づけることが安定した成績を取るポイントになる。

以下大問ごとに難易度と概要の解説に入る。
なお難易度は標準・やや難・難の順とした。

大問1

問1 写真から正しい地形図を見つける問題。写真から高速道路・工場地帯を読めていれば難なく回答できる。【標準】
問2 説明文から古代文明の場所を特定する問題。初めての出題範囲になる古代文明が出題されたため正答率は低い。モヘンジョ・ダロなど今後はこの単元をしっかりと覚えていく必要がある【難】
問3  歳出の総額から歳出の項目を選ぶ問題。説明から計算で導き出せるが項目は歳出額の多い順に覚えておくことが必要である。【標準】

大問2

問1 雨温図と説明文から国を選ぶ問題。偏西風と暖流に気がつけば解答できる【標準】
問2 表からマレーシアを選ぶ問題。マレーシアの貿易での特徴を押さえること。また発展途上国か先進国かを1次産業から読み取ることがポイントになる。【やや難】
問3 表からそれぞれの国を当てはめる問題。アルミニウムはあまりヒントとして生かすことができないため説明文の中から地形的なヒントや日本の輸入量から判断していく必要がある。【やや難】

大問3

問1 説明文からそれぞれの県を選ぶ問題。各説明文の中に特徴的な説明が多く見られるためここは正解しておきたい【標準】
問2 鹿児島県を選ぶ問題。数値が似ていて選びにくい。火山灰が多く水田に向かないことと主な農産物を知っておかないと解けない。【難】
問3 資料を使った記述問題。資料をしっかりと読み取れば難しくはない。【標準】

大問4

問1 歴史の並び替え問題。キーワードから時代を推測するやり方を使えば難なく答えることができる。例年通り時代がわかりやすく分かれている【標準】
問2 引用文から同時代の説明をしている文章を選ぶ問題。江戸時代を示す文章が2つあるためにやや選びにくい。江戸の前期か後期かはしっかりと理解しておく必要がある。【やや難】
問3 明治時代の学制と同じ時期を選択する問題。似たような年代があり多くの受験生は苦戦した問題。江戸から大正までは今後年代を押さえていく必要がある。【難】
問4 明治から平成までの近現代の並び替え問題。昭和の並び替えで苦戦した受験生がいた。第2次世界大戦以降の出来事はしっかりと並び替えできるようにする必要がある。【標準】

大問5

問1 平等権の説明をしている選択肢を選ぶ。ここは正解しておきたい【標準】
問2 条例の説明をしている選択肢を選ぶ問題。ここも正解しておきたい【標準】
問3 グラフと説明文から読み取れることを記述する問題。グラフの後半部に着目して変化していることを述べれば正解できる。【標準】
問4 グラフと説明文から当てはまる年代を選択する問題。グラフから正解を導くこともできるがややグラフが読み取りにくい。ここはEUの発足年代から正解につなげる方がよい。従ってEUの発足年代は暗記しておきたい。【やや難】

大問6

問1 説明文から国名を当てはめる問題。各説明文にその国を表す特徴的なヒントがある。ここは正解したい。【標準】
問2 各説明文から当てはまる国を選択する問題。例年完全回答を求める問題は各大問に1つだったが2つに増えたことにより難しく感じる受験生が多くいた。ここも特徴的なキーワードが多く落ち着いて解けば正解できる。【標準】
問3 説明文の年代を選ぶ問題。環境会議は例年1992の地球サミットまでの出題だったが2002年の地球サミット2002が出題されている。ここの正答率は低い。今後は公民分野での年表問題はこの時期以降も出題される可能性がある。今後はこの単元ではしっかりとした準備が必要になる。【難】

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平成30年度都立高校入試【数学共通問題】入試問題分析

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3月 062018
 
《本年度出題の概観》

昨年の平均点の低さを受けてか,本年度の問題は全体的にかなり易化したと評価できる。完全な揺り戻しといえよう。例えば,昨年度,大問1に移っていた変域の小問が大問3の小問1に帰ってきていたり,大問2の証明問題が模擬試験や一般の都立対策問題集などで検討され尽くされている円柱の表面積・底面の円周に関する出題だったり,大問5までも昨年比で明らかに問題の密度に低下が見られたりするなど,冒頭の評価を支持する事実が盛りだくさんといった風情である。

《当塾の都立共通数学への対策》

まず、取りこぼしが許されない大問1については、徹底した反復訓練により,想定されるありとあらゆる小問をドリル的に実施する。例えば,当塾の授業においては,授業内外でプリントを配布し,訓練開始当初は15分程度で,最終的には7~8分程度で満点を取れるようになるまで鍛える。次に,その他の大問については,難易度に若干の振れ幅があることを踏まえ,基本問題に絞って確実に得点できるように指導する。具体的には,①都立特化型問題の標準問題までを反復,②当該年度実施の模擬試験を,こちらで指定した個所を反復,といった具合である。定期テスト問題と質が異なるので,コツをつかんで得点が伸びるまで多少の時間を要するが,ここまでで,おおよそ杉並~井草といったレベルの志望生については,当該受験生の内申点にもよるが,おおむね十分な対策となりうる。

他方で,内申点が心許ない井草志望生や,豊多摩以上のランクの高校を目指す受験生については,これだけでは当然不足である。そこで,こうした受験生については,やや難レベルの出題まで貪欲に食らいついていけるよう,全国の公立高校の入試問題などで鍛錬する。特に,愛知や熊本,兵庫といった他県の問題は,難易度が高いうえに問題の質が良く,当塾指導者も積極的に授業に採用している。解答の流れを見抜く視野は,こうした問題に数多くに触れる中で鍛えている。従って,塾生は①宿題をこなし,②解き直しに取り組むことで自然と得点力が伸びる。

《参考:本年度当塾塾生の数学平均点 70.4点》

なお,部分点のある問題については,生徒からの聞き取りのもと,都教委発表の採点基準に照らして,おおよそで採点。証明問題の配点14点のうち,①0点…5.6%,②5点…5.6%,③7点…38.9%④8点…11.1%⑤10点…33.3%⑥14点…5.6%,となった。

以下に,本年度数学共通問題の若干の解説を添付します。
本年度数学共通問題の解説はこちら

高校受験部統括 野中

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平成30年度都立高校入試【英語共通問題】入試問題分析

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2月 282018
 

今年度の英語も前年度と同じくらいの難易度であると思われる。前年度から引き続きリスニング問題のBにおいての1問が選択問題であること,大問3がすべて選択肢である点、大問4の英問英答の問題が選択肢で答える形式の問題が継続された点から平均点は60点を越えると思われる。また各長文自体の長さも,大問4が多少長くなったがそれでも短い。さらに,問の前後をしっかりと読むことによって選択肢を選ぶことができ,読み取った長文を深く考える設問もない。以上のことから,今年度の英語も得点差がつきにくいため,確実に得点を重ねる必要のある問題であったと思われる。

都立の英語で確実に得点をとるためにはまず長文読解が鍵になる。まずは全体の文意を押さえられるようになることが大切である。次に,都立英語共通問題は,私立に比べ文法自体が問われることがないので,長文を通して知らない単語の意味を押さえること。また関係代名詞や不定詞の含まれた訳しにくい文章を正確に訳していくことが近道になる。単純に言うなら,読み慣れに比例して得点が上昇するので,得点テクニックに頼るのではなく,初見の英文を読みこなす練習に時間をかけて読解力を伸ばすことが大切である。

また大問2の自由英作も苦手意識を払拭して,少なくとも全て書き切るトレーニングをしたい。対策としては,It構文や動名詞を使った文章を作ることができるようにしておくとよい。

長文読解力と英作文の力は,高校入学後も間違いなく生きてくる。難易度が低いことに引きずられることなく,中学の英語を自在に操ることのできる高いレベルの力を身につけることを目標としたい。

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平成28年度都立高校入試【社会】入試問題分析

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3月 032016
 

【総論】

全体的に例年並みか、もしくは若干難しくなった印象(ただし、平成26年に出題された内容が複数見られることから、過去問をきちんと研究した受験生はかなり活躍できたものと思われる。)。出題傾向に変化がみられる。以下、【各論】では、まず第1として今年の問題に検討を加え、続いて第2として、上記出題傾向の変化を踏まえた社会の入試対策の在り方について私見を述べたい。

【各論】本年問題の検討と若干の解説

大問1 小問集合

小問1 地理分野からの出題で時差計算。マイナス9時間なので、1時間=経度15度の関係から、マイナス135度。よって本初子午線に重なるから【解答】イ。

小問2 歴史分野からの出題。徳川光圀が水戸藩の藩主であること、水戸は現在の茨城県に相当することから【解答】ア。

小問3 公民政治分野からの出題。控訴、上告といった文言から【解答】三審制のこととわかる。

大問2 地理分野

小問1 表Ⅰについてみると、米が1位のアは中国(C)、トウモロコシが1位のウがアメリカ(A)とわかる。そして、全体的に穀物生産量が少ないイがガーナ(D)。残ったエがオーストラリア(B)となる。次に表Ⅱをみると、温度のグラフにつき、6~9月頃に低下していることから南半球であるとわかり、降水量と総合すると温帯(とくに西岸海洋性気候)とわかるので、選択肢のなかのガーナとオーストラリアで比較すればオーストラリア(B)の雨温図であることがわかる。よって、【解答】エ。

小問2 国民総所得から、先進国の一つであるイギリス(Z)がウ、漁獲高および日系現地法人数の多さからタイ(X)がエ、総所得が低いこと、また、豚の飼育頭数が極端に少ないことからエジプト(Y)がアとわかり、牛の飼育頭数が極端に多いことからアルゼンチン(W)がイとわかる。よって、【解答】イ。なお、イギリスでは羊毛を取るためにぺニン山脈の東側で羊の飼育が多いことも手掛かりになりうる。また、イスラム教では豚が忌避されていることとエジプトとの地域の関連から上記の推論が成り立ちうるだろう(なお、エジプトの国教はイスラム教)。加えて、アルゼンチンのパンパでは小麦の生産が盛んであること、その周囲の乾燥地帯では牛の放牧が盛んであることを知っていれば選択肢が切れる。

小問3 地図Ⅰは地中海性気候の国々をさし、農産物として思い浮かぶのは冬の小麦、夏のオレンジ・ブドウ・オリーブなど。次に地図Ⅱをみると香川県が指示されていて、過去問を研究していた受験生はピンとくるものがあったのではないか。平成26年入試で出題されていた(直接問われていたわけではない)オリーブの話である。よって、選択肢を吟味するまでもなく【解答】はウ。なお、コーヒー(ア)・バナナ(イ)については、香川県では栽培が盛んではなく、ブドウ(エ)の生産高1位が山梨県なのは常識(その山梨ですら表Ⅲにみられるように9割を超える生産をたたき出しているわけではない)。上記過去問を見たことが無くても容易に正解を導けよう。

 

大問3 地理分野

小問1 記述の第1段落、「この県の……製造品出荷額は8兆2000億円で、この県が属する地方で最も多くなっている」とある。九州地方、山陰・瀬戸内・四国地方、近畿地方、中部地方、関東地方、東北地方、北海道地方といった標準的な地理の教科書的区割りをイメージして地図Aをみると、あてはまるのは福岡県しかない。よって、【解答】イ。なお、第2段落は北九州工業地帯(地域)の過去と現在を述べており、教科書にも明確に記述がなされているところだから、知識として知っておきたいところ。

小問2 表Ⅰを見ると、茶、みかんといった品目からアは静岡県(②)、日本なしがあるからイは鳥取県(③)、りんごとあるからウは青森県(①)、畜産が盛んなのでエが宮崎県(④)とそれぞれわかる。次に文章Ⅱをみると、第1文・2文より、選択肢中「西部及び中部地域」に「海岸沿いに平野が発達している」とあり、「台地」があるとされていることから静岡県が疑われる。そして、第3文より、表Ⅰアについて「米、野菜、果実、畜産に分類されない農産物の農業産出額」を概算すると、上記4品目の合計が約70%。残り30%の額を計算すると、2138億円×(100%-70%)=約600億円とわかる。したがって、アが上記説明に合致することがわかる。よって、【解答】ア。

小問3 読図問題。アは、「桜井と小浜を結ぶ道路の南の地域」では「開発」後に「複数の工場や発電所が建設」されているわけではないことから誤り。イは、「埋め立て」が進んだ後、「工場を取り巻くように桑畑や果樹園」ができたわけではないから誤り。ウは、「桜井と小浜を結ぶ道路の南の地域」に、「開発」後、「県や市の官庁が置かれ」ていないから誤り。エは、その通り。よって、【解答】エ。

大問4 歴史分野

小問1 アは「稲作……が伝わり」とあるから弥生期、イは「宋」から平清盛あたりを連想できれば平安末期から鎌倉直前期、ウは「聖武天皇」とあるから奈良時代、エは「明」・「足利義満」とあるから室町時代とそれぞれわかる。よって、【解答】ウ。

小問2 文章Ⅱに「伊能忠敬」とあり、このことから江戸期を選べばよいとわかる。その前期・後期の別が判断できなくても、ウには江戸「幕府」が存在しない時代が含まれているなどの手がかりから解答をひねり出せるのではないか。よって、【解答】エ。

小問3 記述問題は、各資料から読み取れることを端的に指摘して、破たんのない日本語でつなげば解答になる。まず、地図Ⅰから、坂本・大津といった港に非常に近接した場所に馬借があることから、海上交通と陸上交通の結節地点が坂本・大津であり、馬借が京都への陸上輸送手段であったことがわかる。次に表Ⅱから、北陸地域の具体的名称・輸送品目がわかる。さらに表Ⅲから、琵琶湖水運が利用されていたことがわかる。もっとも、表Ⅱ・Ⅲの内容は地図Ⅰからほぼ読み取れることであり、これらの資料は、そうした内容をきちんと解答に盛り込んでほしいという都教委からのメッセージだと思われる。

小問4 Aは、「ポーツマス条約」とあり、これが日露戦争の講和条約であることから、1904年ころ(正確には1905年だが、それがわからなくとも問題なし)の話を指していると判断できる。Bは、「東海道新幹線」とあり、その開通が1964年であることはできれば覚えておきたいところだが、それを覚えていなくても他の選択肢との兼ね合いから最後にくることは判断できよう。Cは、「普通選挙」などの文言から普通選挙法(1925年)などを連想すれば大正時代頃のことを指しているとわかる。Dは、「殖産興業」とあるから、明治維新ごろのことを指しているとわかる。以上より、古い順にDACB。よって、【解答】ア。

 

大問5 公民分野

小問1 アは憲法(以下、法名略す)25条1項の生存権を、イは14条1項の平等権を、ウは22条1項の経済的自由権を、エは15条1項・2項の公務員の選定・罷免権等をそれぞれ指している。よって、【解答】ア。

小問2 記述の内容は、労働時間や休日、賃金といった労働条件について述べたものである。よって、【解答】ウ。

小問3 文章Ⅱ第1文より、所得税が「20兆円を下回って推移してい」ないアの時期は消える。同第2・3文より、「法人税」が「増加から減少に転じ、その後増加してい」ないこと、「消費税」が「10兆円前後で推移し、税率が変化してい」るイの時期も消える。同第4文より、「酒税」が「1.5兆円前後で推移してい」ないウの時期も消える。以上より、残るのはエ。よって、【解答】エ。

小問4 平成26年に既出の社会保障費に関する現代的課題。若年層の減少、高齢層の増加による若年層の負担増という背景知識は常識。本問では、「社会保険料による収入と社会保障給付費の差に注目」せよ、とあるので条件に沿って記述すれば解答が得られるだろう。

大問6 複合問題

小問1 まず地図と表Ⅰより、森林面積が最大であることからアがブラジル(A)、針葉樹伐採高が最大であることからイがカナダ(B)とそれぞれわかる。勝負はこのあと。文章Ⅱによると、第1文から「針葉樹が多い」、「州を代表する農業国」とあるから、インド(C)とフランス(D)の特徴に合致するのは後者。本問では、このあたりで切り上げてよい。よって、【解答】はウ。

念のため第2文を検討すると、「1985年と比べて2011年には、木材伐採高が増加している」のに「森林面積の割合が増加している」ことは、残る表Ⅰウ・エに共通した特徴であり、判断できない。この後に続く、「2011年における木材伐採高に占める針葉樹伐採高の割合は、1985年に比べて減少している」のがいずれかを検討することになる。

ウについて検討すると、2011年の割合は、22250/55041×100より、だいたい22000/55000×100=40%。1985年の割合は、19481/38999×100より、だいたい20000/40000×100=50%。両者を比較して「2011年……の割合は、1985年に比べて減少している」と言える。

これに対し、エについて検討すると、2011年の割合は、12165/331969×100より、だいたい12000/332000×100=3.6%。1985年の割合は、9132/245029×100より、だいたい9000/245000×100=3.7%。両者を比較して「2011年……の割合は、1985年に比べて減少している」と言える。

そうすると計算上、決め手に欠けることになってしまう。こうした場合は、相対的に判断することが必要となろう。そうだとすれば落差約10%に相当するウをもって正解と判断すべき。

もっとも、インド(C)は、文章Ⅱ第2文前半にいう「18世紀後半には、市民を中心とした、自由で平等な社会を目指す動きがあった」という市民革命の内容が当てはまらない。上記のような数値の計算をいたずらに追わずに、知識で決着をつけるのが得策な問題かもしれない。

小問2 アについて年代を特定することは困難だろう。したがって、アの判断は後回し。イについて、環境破壊が経済優先の価値判断先行で行われていた時代背景は、歴史分野にとどまらず国語の作文問題でも頻出の常識。環境庁の設置年代(1971年。2001年に環境省に格上げされ、今日に至る)を覚えていなくても、高度成長期のことではないかと推量してほしい。ウについて、「欧州連合」が成立したのは1993年のマーストリヒト条約。これを覚えていた受験生は多いと思われる。エは、「中華人民共和国……が成立した年」、すなわち1949年のことを述べている。アについて不安を残しつつも、イを選ぶべき。よって、【解答】イ。

小問3 文章Ⅲ第1文より、「20世紀初めまでに、……植民地として分割されたが、20世紀半ば以降に多くの国々が独立」とは、アフリカ分割と1960年のいわゆるアフリカの年のこととわかる。したがって、記述すべきはアフリカ州となる。そこでグラフⅠを見ると、①森林面積の減少と、②農地面積の増加が読み取れる。次に表Ⅱをみると、③人口が急激に増加していることが読み取れる。以上、①~③を総合すると、人口増加に対応するために、森林を農地に改変した、ということがわかるので、その旨を述べればよい。

【対策】

1.本年の出題傾向の変化

本年の出題傾向における変化とは、知識を重視する問題傾向への変化が読み取れるということである。従来、資料読解の問題については、当該問題において問われている内容について確たる知識がなくても、与えられた資料を読み解くことで解答を導くことができ、ややもすれば、そうした読解をしないと解答が得にくい出題傾向すら見られた。したがって、受験生・指導者としては、知識の暗記についてそれほど厳格な立場をとる必要がなかった。

ところが、本年ではそうした傾向が転換されたように感じる出題が多い。端的に言って知識を重視する傾向が現れ始めたように思われる。特に顕著なのは本年大問6である。小問3の記述問題では、議論の対象がアフリカ州であることがわからないと採点されない。では、アフリカ州についてはいかに判断するか。それは、文章Ⅲに述べられたヒントを手掛かりにするほかない。つまり、判断するに足る知識を持たない受験生はその時点で門前払いとなる。

このほか、同大問小問2もこうした系統に属すると思われる。本小問では、知識を前提としない場合、選択肢ウ・エが残る。そこで、文章Ⅱをみると、5桁÷6桁×100というパーセンテージを計算した大小比較のもとで答えがでるかのようなヒントがある。したがって、知識に乏しい受験生が例年のごとく計算に手を付けたことが考えられる。しかし、上記解説にも述べた通り、面倒な計算をしたうえでもなお厳密には選択肢が絞り切れないという、ここまでくると意地の悪さとも言いたくなるような出題までなされた。これに対し、知識をきちんと身につけていれば、かかる計算を一切必要とせず、容易、最短、確実に正解にたどり着ける。この辺りに、今後の都立入試の方向転換的な香りがする次第である。

2.前記変化を受けた今後の社会・入試対策の在り方

こうした傾向が今後維持されるかは不透明ではある。しかし、大は小を兼ねるのだから、危機管理の観点から勉強の強度を上げる必要がある。端的に言えば、知識の暗記をいとわず、可能な限り背景事情・理由も含め理解しておく、いわば骨太な学力を身につけておく必要性が高まった。そうすると、従来のような勉強ではとても対応できないのだから、教科書の精読、各種問題集の基礎から応用レベルの幅広い問題にあたっておかねばならないだろう。特に、井草や豊多摩レベル、それを超える小金井北レベルの学校、あるいは西・国立といったグループ作成校レベルの志望校を突破したい受験生には喫緊の課題といえ、早急に勉強に着手する必要がある。

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平成28年度都立高校入試【理科】入試問題分析

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3月 032016
 

【総論】
難化。平均点が50点を下回る可能性もあると感じている。出題形式については昨年と変更がないものの、昨年度までと異なり、ほとんどの選択肢問題で2択に絞ることが難しくなった。また、各大問ごとの問いの難易度の幅が広くなり、基本的なものからかなり難しい問いまで配置されており、息をつく暇がなくなった。(この投稿につきましてはいずれ修正を入れることとなると思います。あらかじめご承知くださいませ。)
※大問3問1について修正しました(16/03/18)。

【各論】
大問1 小問集合

問1 模式図から深成岩の表面のものと判断すればよい。基本レベル。
問2 それぞれの力の矢印をどこから書き始めるかを確認すればよい。重力は物体の中心。垂直効力と摩擦力は接する面の中央から。基本レベル。
問3 栄養分が最も多いのは小腸から肝臓の間。アンモニアのが最も少ないのはアンモニアを尿素に変える働きをする肝臓を通った後。アンモニアの量が少ない部分がが問われたのは初めてではないか。基本レベル。
問4 重量パーセント濃度の計算だが、溶解度を越えた部分は水に溶けていないので、36÷136×100の式で濃度を計算することになる。やや難しいレベル。
問5 スクリーンの位置が焦点距離の2倍であることから、この場合は物体をスクリーンと反対側の焦点距離の2倍の位置に置くと結像するという知識が必要。基本レベル。
問6 震源からの距離と初期微動継続時間は比例の関係にあること、地震の規模を表すのはマグニチュードであること、の2つの知識を押さえればよい。基本レベル。

大問2

問1 それぞれの生物のいずれがもう一方を捕食する関係にあるか、また分解者が有機物を無機物に変えていることの知識を問う。基本レベル。
問2 音は振幅が大きいほど大きな音となり、振動数が多いほど高い音になる知識を問う。基本レベル。
問3 指定された気温と湿度の空気に含まれる水蒸気量は1㎥あたり21.8×80/100=17.44g。この空気を15℃まで冷やすと17.44gから18℃の飽和水蒸気量を引いた差のおよそ2.0gが水滴となる。基本レベル
問4 まず、状態変化をしても変わらないのは質量。その際の体積比は密度が小さいほうが体積が大きくなるので、計算をせずとも同様の関係にある比を選択すればよい。やや難しいレベル。

大問3 天体[中3内容]

問1 見えている金星の形は円形に近いため地球からは離れた位置にある。また月と金星と火星がほぼ同じ方角にあり、地平線に近い順に火星,金星,月の順に並んでいる。この順に見えるの選択肢をしぼり、金星の形から解答を決める。やや難しいレベル。
問2 図4〜7のときと異なり、東の空に月と金星が見えていることから、ともに光の当たる場所が図2のときと反対になる。やや難しいレベル。
問3 選択肢Aについて「黄道付近に観察できる」を<結果2>に記述されている「地球と金星と月がそれぞれ公転面するはほぼ一致している」と置き換えることができるか。選択肢B,C,Dについては基本知識。やや難しいレベル。

大問4 植物のなかま,生殖[中1,3内容]

問1 単子葉類と双子葉類の根、茎の断面のつくりの区別と、無性生殖と有性生殖の区別ができればよい。基本レベル。
問2 純系の遺伝子の組み合わせと、教科書で太字扱いとなる遺伝子の本体の名前についての知識を問う。基本レベル。
問3 両親の遺伝子の組み合わせから子の遺伝子の組み合わせを確認する表を作成し、優性と劣性の形質を確認し比を出せばよい。基本レベル。
問4 まず、Aとaの数は組み合わせが変わるのみなのでそれぞれの数が変わることはない。次に並葉と丸葉の比率についてだが、これは教科書の知識からは解答ができない。地道に遺伝子の組み合わせを確認するしかない。子の代の並葉と丸葉の比率を確認すると3:1、さらに自家受粉による孫の代の並葉と丸葉の比率を確認すると5:3となる。ここから丸葉の比率が上がっていることが確認できるので、「3:1」ではなくなることがわかるため解答が特定できる。難しいレベル。

大問5 イオン[中3内容]

問1 水素を判別する方法と電気分解の仕組みの理解を問う。基本レベル。
問2 生成した塩である硫酸バリウムは濁る、つまり沈殿となることが問題文からわかるので、水に溶けにくいと判断できる。またその場合は電離していないのでイオンでなはない。基本レベル。
問3 基本的な化学反応式。基本的レベル。
問4 塩酸と硫酸を同じ体積10㎤を中性にするために加えた水酸化ナトリウムの体積は、硫酸に加えた量が塩酸に加えた量の半分になっているので、硫酸に加えた水酸化物イオンの数は、塩酸に加えた量の半分となる。中性であるので、加えた水酸化物イオンと結びついた水素イオンの数は同数となる。したがって、硫酸に含まれる水素イオンの数は、塩酸に含まれる水素イオンX個の半分となるので1/2X個。中性になれば水素イオンはなくなっているので、解答を特定できる。イオンの濃度と体積の関係は、教科書では発展的内容として扱われている。やや難しいレベル。

大問6 電流と磁界[中2内容]

問1 実験器具の取り扱いと使い方。基本レベル。
問2 オームの法則を用いて電流と電圧を求め、さらに電力を算出する。ひとつひとつの計算は基本的だが、解答に至るまでのステップがやや多い。やや難しいレベル。
問3 まず、「Cool」と「Hot」のそれぞれのときに風の強さに変化がないことを問題文から確認する。するとモーターの電圧が一定であるために電熱線をonにしてもoffにしても風の強さが変わらないということがわかる。仮に、電熱線とモーターを直列につないでいるのであれば、「Cool」と「Hot」のそれぞれのときにモーターにかかる電圧が変わる。すると「Cool」と「Hot」のそれぞれの際のモーターの電力が異なる。電力が異なればモーターの動きに変化がでることになるので、風の強さを調べる吹き流しの動きに変化がでる。何を記述すべきか迷うだろう。ポイントは風の強さが電圧にかかわりがあることをつかめるかどうか。難しいレベル。
問4 エネルギーの変換について。基本レベル。

【対策】
比較的難しくなった過去2年よりさらに難化している。一問一答的な知識だけでは対処できないケースが増えており、知識に対して本質的かつ応用的な理解が求められている。また、本年度については扱われている分野の半分以上が中3の学習内容で、しかも多くが苦手としやすい部分を取り扱っている。平成25年頃までは読み取りを間違えなければ多少の知識不足もカバーできたが、今年度は常に正確な知識の運用が要求されており、この2,3年の出題状況からから今後もこの傾向は続くものと考えたほうがよいだろう。もっとも、他府県の入試と比べて優しい部類に入る都立高校の入試が標準のレベルになっただけであるとも言える。

入試の対策としては、用語や知識をしっかり把握するのは当然のこととして、高得点を目指すのであれば、それぞれについてきちんと説明ができるレベルまで理解を深めたい。まずは単元ごとに問題演習を重ねて知識の定着と問題に慣れるのが最初だろう。その点をクリアできたならば、入試の総合問題に数多く触れていきたい。以前は、都立入試の理科対策は都立の過去問や類題を利用していればおおむね結果を出すことができたが、今後は他府県さらに国立レベルの入試問題など歯ごたえのある問題にチャレンジすることが不可欠である。得点力の向上のために、これまで以上にじっくりとトレーニングを積む必要がある。

(文責:伊藤大介[理科担当])

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都立高校平成27年度社会問題分析

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2月 282015
 

全体のコメント:問題そのものの難易度は,昨年度とあまり変わらなかったか若干易化した印象を受ける。選択肢を選ぶ形式になったことにより,絞り易くなったため,全体としては易化しているといえよう。選択式の問題は、大問2の歴史地図の問題を除き,これは厳しいという問題はなかった。大問5と6で現代のことを問う問題が増加した。それによって、普段から社会の動きに興味・関心のある生徒には有利だったが,反面難しいと感じる生徒も少なくなかったと思われ,ここで差がついたことが予想できる。ここ2年間難化していた記述は,条件付けが緩やかになり,やり易くなったのではないか。

学習の対策:知識としては,学校の定期試験をしっかり行っておけば必要なものの大半を補うことができる。ただし,単に知識を詰め込む学習では高得点は望めない。地図,グラフ,文章で要求されている意図を読み解く力をつけていくことが必要である。記述問題では,「何を問われているのか」を正確に読み取って,条件をしっかり踏まえて的確に答える力が求められている。書く練習が必要である。

大問1

問1 純粋な地図の問題。基本的な地図記号を押さえていれば難しくない。問2 鳥羽伏見の戦いが始まった場所を特定させる問題。歴史地図を答えさせる問題としては,近年にない難しさだったのではないか。ちなみに、ここは教科書によって,地図が載っているものと載っていないものに分かれている。問3 公民の用語問題。易。

大問2

問1 世界各地の雨温図から地域を特定させる問題。リオデジャネイロとシドニーの区別で若干迷ったかもしれないが,選択肢が提示されいたため,絞り易かったのではないか。問2 図表から韓国を特定させる問題。消去法で残りの国をしっかり落とせれば難しくない。問3 ヨーロッパ最大の工業国という記述ですぐわかったはず。それがわからなくても数値から,特定できるため,易しい。

大問3

問1 文章から日本の県を特定する問題。難易度はここ数年の問題と変わらない。過去問演習でヒントの探し方に習熟していれば,できたはず。問2 数値から2択に絞ることができる。文章をしっかり読めば簡単に解答できる。問3 若年層の定住者を増加させる町の事業の目的を読み取る。理由と目的をしっかり書き分ける。

大問4

問1 例年通り,時代順に並べる問題。唐,宋,ポルトガルといった外国の名からも順序を特定できた。問2 略年表と文章から時期を特定させる問題。例年,この問題は正答率が低かったが,参勤交代のヒントがあったため,解き易かった。 問3 図表で使われている地名や用語をしっかり使って記述できたかどうか。問4 明治から現代までを時代順に並べる問題。戦後の区別に迷った生徒もいたかもしれない。

大問5

問1 地方自治のはたらきについて問う問題。言葉の意味を理解していれば間違えようがない。問2 住民から首長への権利・権限の行使を問う問題。公民で単語を除き,唯一知識を求められた問題。ただし,知識がなくとも2択までは絞れる。問3 地方財政歳入の項目別割合をグラフから読み取る。割合の変化の大きいもの,という指定を総額が大きいものととらえ間違えた生徒が少なくないと思われる。問4 産業と雇用の両面をしっかり書けていたかどうか。

大問6

問1 地図,グラフ,文章からシンガポールを特定する。物流拠点として中心的な役割を果たす,情報通信・先端技術産業に力を入れているとの文言から,簡単に特定できるはず。さらに外国人訪問者数の多いフランスを落とせると盤石だが,インターネット普及率の高い二つの国までは選べても,最後の決め手を探せなかった生徒は少なくないかもしれない。問2 選択肢が全て1990年以降を扱うという初めての問題。社会に興味・関心があるかどうかで差が出た問題の一つ。円安が進むと輸出が増加し,円高が進行すると輸出が減少するという基本通りになっている時期を特定する。極めて簡単な問題だが,1990年以降の社会の変化を表す内容にピンと来ないと苦しいかもしれない。問3 国際協力の変化についての記述。資金協力と技術協力の違いを文章から読み取って,変化を的確に答える。例年通りの問題であった。

 Posted by at 5:20 PM

都立高校平成27年度理科問題分析

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2月 282015
 

全体コメント:昨年よりやや易化。問題文や資料の情報量が多く,解答に必要なポイントを確認するのに時間を要する点は昨年と変わらず。各設問自体の記述が素直になったため,やや解きやすくなった。80点前後までは取りやすいが,9割を取るのは難しいだろう。なお,配点に変更があった。例年大問1,2が4点×10問,以降各設問ごとに5点(記述と記号合わせての問い含め)から,全問各4点に。

学習の対策:まずは教科書にある理科の用語を確実に身につけ,公式等を使いこなせるようにすること。問題のレベルとしては基本的なことをしっかり理解していれば対応できる。計算もそれほど多くなく,複雑なものはない。注意する必要があるのは問題文の長さや図表やグラフの多さ。「何を問われているのか」「どの図表を確認すればよいのか」を丁寧に正確に読み取るトレーニングをすること。

大問1:小問集合

問1は動物の体のつくりについて。基本的。問2は実験の操作について。基本。問3は金星の見え方について。基本例題レベル。問4は電解質の溶け方について。基本。問5は植物の増え方と体の作りについて。種子植物以外の体のつくりをしっかり把握しておく必要がある。基本。問6はオームの法則を使いこなせれば確実に答えにたどり着く。また,直列つなぎと並列つなぎの性質の違いを理解していれば比較すべき選択肢は限られる。

大問2:小問集合

問1は密度に関する問い。どのよう比較するのかでやや迷うか。問2は刺激と反応について。基本。問3は音の伝わる速さについて。基本的な計算問題。問4は天気図の読み取り。最終的には低気圧と高気圧の風の吹き方が決め手となる。やや難。

大問3:地層(中学1年範囲)

問1は示相化石と示準化石の知識についての問題。基本的。問2は柱状図の比較の問題。全体の地層の重なりを示す図3でE地点の場所を確認すればよい。苦手とする生徒が多いが,出題形式としては典型的。問3は選択肢はれき・砂・泥の堆積する環境の違いについて。選択肢の文章が長いことに惑わされないことが重要。問われている知識は基本的。記述は都の公表した正答にある「流水によって運搬される」の部分を書ききるのはやや難しいか。

大問4:植物(中学1年範囲)

大問で扱う実験は教科書に必ず出てくるもの。問1の選択肢左側は実験のしかたの基本の確認。実験の流れを押さえていることが必須。選択肢右側は実験結果の読み取り。こちらは基本的。問2は呼吸と光合成についての知識と実験結果の読み取り。基本的。問3は必要な情報を拾うことにさほど手間はかからないが,正答にある「成長に必要なデンプンが多く作られる」を明解に書けたかどうかがポイント。

大問5:化学変化(中学2年範囲)

問1は化学変化の際の物質の質量比について。基本的。選択肢の形式が見た目としては新しいが戸惑うほどのことではない。問2は,まず選択肢A,Bについては問1と同様に化学変化の際の物質の質量比について。次に選択肢C,Dは実験結果の読み取りを踏まえ,条件を変えた別の実験をするときの結果の予測。基本的。問3は実験1の結果1から酸素と結びついたマグネシウムの量を割り出し,反応していない残りのマグネシウムの質量を求め,結果2と照合する。的確なデータの活用を求められる。解答のプロセスがやや難。

大問6:運動とエネルギー(中学3年範囲)

問1は力の大きさについて。基本的。問2は仕事の大きさの計算とエネルギーの移り変わり。基本的。問3は記述問題については「平均の速さ」を表すグラフの書き方を押さえられていたかどうか。やや難。問3は結果2でも確認でき,また動滑車のしくみを知っていればなおよい。基本的。

文責:伊藤大介(中学部理科担当)

 Posted by at 5:15 PM

都立高校平成26年度理科[共通問題]問題分析

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3月 192014
 

平成27年度理科の入試分析はこちら(15/02/27)。

全体コメント:難化。平成15年以降の問題の中では最も難しいだろう。大問3以降で扱っている単元・項目はは天体,遺伝,イオン,電流と磁界で,いずれも生半可な理解では得点しにくく苦手とする生徒が多い。その上に読み取る資料や図表も多く,各設問の意図をつかみ取るのも難しい場合がある。苦戦した受験者は少なくないだろう。

大問1:小問集合
問1は実験器具の扱い方で基本的知識。問2はオームの法則を利用した計算問題でレベルは基本的。問3は前線を伴う低気圧の様子について。基本的。問4は食物連鎖について。2択に絞れる構成になっていないが,必要とする知識は基本的。問5は等速直線運動について。摩擦力を見落としていなければよい。基本。問6は化石の分類。基本。

大問2:小問集合
問1はS波の到達時間の計算問題。平成23年大問3に類題。問題条件を見落としていなければ易しい。問2は圧力から逆算することに戸惑いがあったかもしれないが、圧力の公式がしっかり使うことができればよい。基本。問3は問題文の一酸化炭素の説明をしっかり読めば問題ない。基本。問4はパルミチン酸で「固形」燃料をつくっていることを把握しておけば,常温で固体ということがわかる。基本。

大問3:天体
問1は観察に根拠を求めた解答がかけているか。知識としては基本的。問2は図2と図5から比較的簡単に地球と月の位置が特定でできる。基本的。問3はすでに発表があった通りすべての選択肢が正解となった。出題の形式としては近年よく見かける複雑な選択肢を読み取らせる問い。今後も要注意である。

大問4:遺伝
問1はこれまで出されたことのない,双眼実体顕微鏡の扱い方。知識としてノーマークであると手が出せない。問2の記述は都立独特のきき方である。有性生殖とはどのような生殖の仕方をするのかがわかればよいのだが,書き方に悩んだ受験者は多いだろう。選択肢の方は必要な知識は基本的だが,1つ1つが長い選択肢のため文中のポイントをしっかり確認できるかが鍵。問3は遺伝子の組み合わせの表を作り整理できればそれほど難しくない。

大問5:イオン
問1の記述は易しい。選択肢は酸性・アルカリ性をpHの値に置き換えなければならない点にひとつひねりがある。問2は教科書で扱う亜鉛板と銅板を用いた電池の仕組みを明確に覚えていればできる。問3は金属の「イオンのなりやすさ」に踏み込んだ問い。問題文と選択肢だけを見ると手が止まるかもしれないが,指示通り実験結果を確認すれば解ける。

大問6:電流と磁界
問1は実験1に関する選択肢はやや悩むが,電熱線の性質を素直に考えればよい。図2に関する選択肢は磁力線を空間で把握する必要がありひねりがある。問2は選択肢の後半部分で「コイルの内径のサイズ」を変えることを,「(単位長さあたりの)コイルの巻き数を増やす」と読み替える必要がある。やや難しい。問3は設問で少し悩むかもしれないが,シンプルにエネルギーの移り変わりを説明すればよい。選択肢は基本的。

 Posted by at 6:16 PM

都立高校平成26年度国語[共通問題]問題分析

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3月 182014
 

全体的な難易度は例年通り。

問題1,2番の漢字は,書きの「陸橋」が一番難しいといった程度で,漢字検定3級レベルの知識が定着していれば難なく得点できる。私立では偏差値50程度の学校の漢字の問題レベルができていれば問題ないだろう。中学3年までの漢字練習帳を繰り返し行って確実に得点したい。

問題3は25年度と同じくらいの3ページにわたる長文だった。今年は理科の教師を主人公に松葉杖の少年と交流をしてゆく小説。抜粋されている文章は読みやすく情景や登場人物像,心情も理解しやすい。問1は昨年も出題された情景の説明を選択する問題であった「紅」「黄金色」の色彩表現や「海面にほどこされた金箔が少しずつはがれ」などの文章描写をしっかりと読み取れているかが問題になる。難易度は少し高い。問の2〜4までは基本的な心情を問う問題になっており,傍線部前後の出来事をしっかりと読んでいれば正解を導くことができ,確実に得点したい問題である。問5は24年度まで続いた人物の気持ちを理解し適切な返答を求める形式に戻った。難易度は例年と変わらず平均的である。30〜50字程度の文章を日頃から書けるようにすることが問5を正解する近道になるだろう。

問題4の今回のテーマは「地球環境」になっている。また今回は一般的に扱われる環境問題の文章とは切り口が異なり「生物多様性」の視点から環境問題を論じているため,設問自体の難易度は例年通りだが,受験生にとっては読み慣れた内容ではなかっただろう。ポイントは「生物多様性」が人間中心の環境の「持続可能性」にどのような役に立つのかを読み取れるかである。問1は傍線部中の指示語「それ」を明確にし,本文では「多岐にわたる要素を含む」という内容をしっかりと理解して選択肢を選ぶことが必要。問2は本文での「持続可能性」の意味を問われている。本文では人間に適した環境を残すことが「持続可能性」と述べられているので,それに適した選択肢を選ぶ。やや難しい。問3は段落の役割について例年通りの問題が出題された。第10段落の冒頭の内容理解とともに,結論との関連性を考えて解答すればよい。問4は傍線部中の段落冒頭が解答の根拠となる。問5は例年通りの作文であったが,今回は「環境の持続可能」というテーマを身近な問題に引き寄せて文章にすることが難しく,時間を多く費やした受験生も多いと思われる。例年以上に書きにくい作文であった。早くから感想文ではなく,自分の意見文を書く練習をする必要がある。読解では,高校受験教材で該当する分野を解き,受験までに私立の中堅レベルの論説文まで読めるようにしておきたい。また語句の意味や文章が書かれていることの背景にまで触れておく必要があるだろう。

問題5は昨年と同様,対話形式の文章とテーマに上げられている文章の原文とその現代語訳となった。今回は「百人一首」と藤原定家の考えがテーマの中心となっており言葉の大切さについて話題が進んでいることを読み取る。問1は傍線部のあとの文章をしっかりと読めば解答できる,ここはしっかりと得点しておきたい。問2は発言者の意図を問う問題。「つながる」というキーワードがこのあとの会話の中心になっていることに気がつけば選択肢を選ぶことができる。問3は現代文から古文に相当する部分を抜き出す問題。ここは易しい。問4,ここは対話の内容がどのように完結したのかを理解させる問題。難易度は高くないが,試験時間が足りなくなってミスをする受験生もいたのではないか。問5は例年出題される単語の意味と単文作成。「もとより」の意味を理解し,主語と述語のある文を作成する。文脈からも「もとより」の意味を理解できるため,易しめ。基本的に古文を読むというより,対話の進行と話されているテーマをしっかりと理解することが必要となる。古文知識を必要とする問題はあまり出題されないので,繰り返し過去問や都立模擬試験等を使って演習するのがよい。

全体的に難易度も変わらず平均点も大きく変動しないと思われる。国語の対策としては,まず「記述力の向上」と「論説文への対応」が重要になってくる。特に論説文はいろいろなテーマの文章を読み,そこから語彙力を増やしたり主張を読み取ったりする訓練が必要だろう。また読解力は短期間で身に付くような物ではないので早い時期からの文章慣れが望ましい。

 Posted by at 2:59 PM