平成30年度都立高校入試【社会】入試問題分析

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3月 062018
 

【総論】難易度は例年と比べるとやや難しいと思われる。前年との違いは大問4・6での並び替えが1題増えて2題になったことによって完全正答しなくてはならない問題が計4題になったため正答率は下がったといえる。地理分野に関してはマニアックな国や県が出題されることはなく例年通りの出題範囲になる。歴史分野に関しては自校作成校と共通問題校との差を意識してか大問1の問2のように今で出題されなかった古代文明の範囲も出題された。また歴史は近現代で多少細かな年代を聞いてくるようになってきたので今後はやや細かな部分まで年表を暗記する必要性を感じる。公民分野では2000年以降の現代に関する問題が出題された。1900年後半までを押さえる以外にも今後は対策が必要になってくる。

今後のポイントとして地理分野はヒントとなるキーワードや表・グラフの特徴をもとに国名や県名を探せるようになることが必要になる。歴史はより細かい部分まである程度年表を押さえること。地理と歴史はどこを根拠に正解したのかが重要になる。なんとなく解いていては安定した成績を取ることはできない。正解以外にも他の選択肢はどれに当てはまるのかしっかりと確認することが高得点の近道になる。公民分野は平成から現代までの出来事をしっかり順序づけることが安定した成績を取るポイントになる。

以下大問ごとに難易度と概要の解説に入る。
なお難易度は標準・やや難・難の順とした。

大問1

問1 写真から正しい地形図を見つける問題。写真から高速道路・工場地帯を読めていれば難なく回答できる。【標準】
問2 説明文から古代文明の場所を特定する問題。初めての出題範囲になる古代文明が出題されたため正答率は低い。モヘンジョ・ダロなど今後はこの単元をしっかりと覚えていく必要がある【難】
問3  歳出の総額から歳出の項目を選ぶ問題。説明から計算で導き出せるが項目は歳出額の多い順に覚えておくことが必要である。【標準】

大問2

問1 雨温図と説明文から国を選ぶ問題。偏西風と暖流に気がつけば解答できる【標準】
問2 表からマレーシアを選ぶ問題。マレーシアの貿易での特徴を押さえること。また発展途上国か先進国かを1次産業から読み取ることがポイントになる。【やや難】
問3 表からそれぞれの国を当てはめる問題。アルミニウムはあまりヒントとして生かすことができないため説明文の中から地形的なヒントや日本の輸入量から判断していく必要がある。【やや難】

大問3

問1 説明文からそれぞれの県を選ぶ問題。各説明文の中に特徴的な説明が多く見られるためここは正解しておきたい【標準】
問2 鹿児島県を選ぶ問題。数値が似ていて選びにくい。火山灰が多く水田に向かないことと主な農産物を知っておかないと解けない。【難】
問3 資料を使った記述問題。資料をしっかりと読み取れば難しくはない。【標準】

大問4

問1 歴史の並び替え問題。キーワードから時代を推測するやり方を使えば難なく答えることができる。例年通り時代がわかりやすく分かれている【標準】
問2 引用文から同時代の説明をしている文章を選ぶ問題。江戸時代を示す文章が2つあるためにやや選びにくい。江戸の前期か後期かはしっかりと理解しておく必要がある。【やや難】
問3 明治時代の学制と同じ時期を選択する問題。似たような年代があり多くの受験生は苦戦した問題。江戸から大正までは今後年代を押さえていく必要がある。【難】
問4 明治から平成までの近現代の並び替え問題。昭和の並び替えで苦戦した受験生がいた。第2次世界大戦以降の出来事はしっかりと並び替えできるようにする必要がある。【標準】

大問5

問1 平等権の説明をしている選択肢を選ぶ。ここは正解しておきたい【標準】
問2 条例の説明をしている選択肢を選ぶ問題。ここも正解しておきたい【標準】
問3 グラフと説明文から読み取れることを記述する問題。グラフの後半部に着目して変化していることを述べれば正解できる。【標準】
問4 グラフと説明文から当てはまる年代を選択する問題。グラフから正解を導くこともできるがややグラフが読み取りにくい。ここはEUの発足年代から正解につなげる方がよい。従ってEUの発足年代は暗記しておきたい。【やや難】

大問6

問1 説明文から国名を当てはめる問題。各説明文にその国を表す特徴的なヒントがある。ここは正解したい。【標準】
問2 各説明文から当てはまる国を選択する問題。例年完全回答を求める問題は各大問に1つだったが2つに増えたことにより難しく感じる受験生が多くいた。ここも特徴的なキーワードが多く落ち着いて解けば正解できる。【標準】
問3 説明文の年代を選ぶ問題。環境会議は例年1992の地球サミットまでの出題だったが2002年の地球サミット2002が出題されている。ここの正答率は低い。今後は公民分野での年表問題はこの時期以降も出題される可能性がある。今後はこの単元ではしっかりとした準備が必要になる。【難】

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平成30年度都立高校入試【数学共通問題】入試問題分析

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3月 062018
 
《本年度出題の概観》

昨年の平均点の低さを受けてか,本年度の問題は全体的にかなり易化したと評価できる。完全な揺り戻しといえよう。例えば,昨年度,大問1に移っていた変域の小問が大問3の小問1に帰ってきていたり,大問2の証明問題が模擬試験や一般の都立対策問題集などで検討され尽くされている円柱の表面積・底面の円周に関する出題だったり,大問5までも昨年比で明らかに問題の密度に低下が見られたりするなど,冒頭の評価を支持する事実が盛りだくさんといった風情である。

《当塾の都立共通数学への対策》

まず、取りこぼしが許されない大問1については、徹底した反復訓練により,想定されるありとあらゆる小問をドリル的に実施する。例えば,当塾の授業においては,授業内外でプリントを配布し,訓練開始当初は15分程度で,最終的には7~8分程度で満点を取れるようになるまで鍛える。次に,その他の大問については,難易度に若干の振れ幅があることを踏まえ,基本問題に絞って確実に得点できるように指導する。具体的には,①都立特化型問題の標準問題までを反復,②当該年度実施の模擬試験を,こちらで指定した個所を反復,といった具合である。定期テスト問題と質が異なるので,コツをつかんで得点が伸びるまで多少の時間を要するが,ここまでで,おおよそ杉並~井草といったレベルの志望生については,当該受験生の内申点にもよるが,おおむね十分な対策となりうる。

他方で,内申点が心許ない井草志望生や,豊多摩以上のランクの高校を目指す受験生については,これだけでは当然不足である。そこで,こうした受験生については,やや難レベルの出題まで貪欲に食らいついていけるよう,全国の公立高校の入試問題などで鍛錬する。特に,愛知や熊本,兵庫といった他県の問題は,難易度が高いうえに問題の質が良く,当塾指導者も積極的に授業に採用している。解答の流れを見抜く視野は,こうした問題に数多くに触れる中で鍛えている。従って,塾生は①宿題をこなし,②解き直しに取り組むことで自然と得点力が伸びる。

《参考:本年度当塾塾生の数学平均点 70.4点》

なお,部分点のある問題については,生徒からの聞き取りのもと,都教委発表の採点基準に照らして,おおよそで採点。証明問題の配点14点のうち,①0点…5.6%,②5点…5.6%,③7点…38.9%④8点…11.1%⑤10点…33.3%⑥14点…5.6%,となった。

以下に,本年度数学共通問題の若干の解説を添付します。
本年度数学共通問題の解説はこちら

高校受験部統括 野中

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平成30年度都立高校入試【英語共通問題】入試問題分析

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2月 282018
 

今年度の英語も前年度と同じくらいの難易度であると思われる。前年度から引き続きリスニング問題のBにおいての1問が選択問題であること,大問3がすべて選択肢である点、大問4の英問英答の問題が選択肢で答える形式の問題が継続された点から平均点は60点を越えると思われる。また各長文自体の長さも,大問4が多少長くなったがそれでも短い。さらに,問の前後をしっかりと読むことによって選択肢を選ぶことができ,読み取った長文を深く考える設問もない。以上のことから,今年度の英語も得点差がつきにくいため,確実に得点を重ねる必要のある問題であったと思われる。

都立の英語で確実に得点をとるためにはまず長文読解が鍵になる。まずは全体の文意を押さえられるようになることが大切である。次に,都立英語共通問題は,私立に比べ文法自体が問われることがないので,長文を通して知らない単語の意味を押さえること。また関係代名詞や不定詞の含まれた訳しにくい文章を正確に訳していくことが近道になる。単純に言うなら,読み慣れに比例して得点が上昇するので,得点テクニックに頼るのではなく,初見の英文を読みこなす練習に時間をかけて読解力を伸ばすことが大切である。

また大問2の自由英作も苦手意識を払拭して,少なくとも全て書き切るトレーニングをしたい。対策としては,It構文や動名詞を使った文章を作ることができるようにしておくとよい。

長文読解力と英作文の力は,高校入学後も間違いなく生きてくる。難易度が低いことに引きずられることなく,中学の英語を自在に操ることのできる高いレベルの力を身につけることを目標としたい。

 Posted by at 7:20 PM