都立高校平成26年度理科[共通問題]問題分析

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3月 192014
 

平成27年度理科の入試分析はこちら(15/02/27)。

全体コメント:難化。平成15年以降の問題の中では最も難しいだろう。大問3以降で扱っている単元・項目はは天体,遺伝,イオン,電流と磁界で,いずれも生半可な理解では得点しにくく苦手とする生徒が多い。その上に読み取る資料や図表も多く,各設問の意図をつかみ取るのも難しい場合がある。苦戦した受験者は少なくないだろう。

大問1:小問集合
問1は実験器具の扱い方で基本的知識。問2はオームの法則を利用した計算問題でレベルは基本的。問3は前線を伴う低気圧の様子について。基本的。問4は食物連鎖について。2択に絞れる構成になっていないが,必要とする知識は基本的。問5は等速直線運動について。摩擦力を見落としていなければよい。基本。問6は化石の分類。基本。

大問2:小問集合
問1はS波の到達時間の計算問題。平成23年大問3に類題。問題条件を見落としていなければ易しい。問2は圧力から逆算することに戸惑いがあったかもしれないが、圧力の公式がしっかり使うことができればよい。基本。問3は問題文の一酸化炭素の説明をしっかり読めば問題ない。基本。問4はパルミチン酸で「固形」燃料をつくっていることを把握しておけば,常温で固体ということがわかる。基本。

大問3:天体
問1は観察に根拠を求めた解答がかけているか。知識としては基本的。問2は図2と図5から比較的簡単に地球と月の位置が特定でできる。基本的。問3はすでに発表があった通りすべての選択肢が正解となった。出題の形式としては近年よく見かける複雑な選択肢を読み取らせる問い。今後も要注意である。

大問4:遺伝
問1はこれまで出されたことのない,双眼実体顕微鏡の扱い方。知識としてノーマークであると手が出せない。問2の記述は都立独特のきき方である。有性生殖とはどのような生殖の仕方をするのかがわかればよいのだが,書き方に悩んだ受験者は多いだろう。選択肢の方は必要な知識は基本的だが,1つ1つが長い選択肢のため文中のポイントをしっかり確認できるかが鍵。問3は遺伝子の組み合わせの表を作り整理できればそれほど難しくない。

大問5:イオン
問1の記述は易しい。選択肢は酸性・アルカリ性をpHの値に置き換えなければならない点にひとつひねりがある。問2は教科書で扱う亜鉛板と銅板を用いた電池の仕組みを明確に覚えていればできる。問3は金属の「イオンのなりやすさ」に踏み込んだ問い。問題文と選択肢だけを見ると手が止まるかもしれないが,指示通り実験結果を確認すれば解ける。

大問6:電流と磁界
問1は実験1に関する選択肢はやや悩むが,電熱線の性質を素直に考えればよい。図2に関する選択肢は磁力線を空間で把握する必要がありひねりがある。問2は選択肢の後半部分で「コイルの内径のサイズ」を変えることを,「(単位長さあたりの)コイルの巻き数を増やす」と読み替える必要がある。やや難しい。問3は設問で少し悩むかもしれないが,シンプルにエネルギーの移り変わりを説明すればよい。選択肢は基本的。

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都立高校平成26年度国語[共通問題]問題分析

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3月 182014
 

全体的な難易度は例年通り。

問題1,2番の漢字は,書きの「陸橋」が一番難しいといった程度で,漢字検定3級レベルの知識が定着していれば難なく得点できる。私立では偏差値50程度の学校の漢字の問題レベルができていれば問題ないだろう。中学3年までの漢字練習帳を繰り返し行って確実に得点したい。

問題3は25年度と同じくらいの3ページにわたる長文だった。今年は理科の教師を主人公に松葉杖の少年と交流をしてゆく小説。抜粋されている文章は読みやすく情景や登場人物像,心情も理解しやすい。問1は昨年も出題された情景の説明を選択する問題であった「紅」「黄金色」の色彩表現や「海面にほどこされた金箔が少しずつはがれ」などの文章描写をしっかりと読み取れているかが問題になる。難易度は少し高い。問の2〜4までは基本的な心情を問う問題になっており,傍線部前後の出来事をしっかりと読んでいれば正解を導くことができ,確実に得点したい問題である。問5は24年度まで続いた人物の気持ちを理解し適切な返答を求める形式に戻った。難易度は例年と変わらず平均的である。30〜50字程度の文章を日頃から書けるようにすることが問5を正解する近道になるだろう。

問題4の今回のテーマは「地球環境」になっている。また今回は一般的に扱われる環境問題の文章とは切り口が異なり「生物多様性」の視点から環境問題を論じているため,設問自体の難易度は例年通りだが,受験生にとっては読み慣れた内容ではなかっただろう。ポイントは「生物多様性」が人間中心の環境の「持続可能性」にどのような役に立つのかを読み取れるかである。問1は傍線部中の指示語「それ」を明確にし,本文では「多岐にわたる要素を含む」という内容をしっかりと理解して選択肢を選ぶことが必要。問2は本文での「持続可能性」の意味を問われている。本文では人間に適した環境を残すことが「持続可能性」と述べられているので,それに適した選択肢を選ぶ。やや難しい。問3は段落の役割について例年通りの問題が出題された。第10段落の冒頭の内容理解とともに,結論との関連性を考えて解答すればよい。問4は傍線部中の段落冒頭が解答の根拠となる。問5は例年通りの作文であったが,今回は「環境の持続可能」というテーマを身近な問題に引き寄せて文章にすることが難しく,時間を多く費やした受験生も多いと思われる。例年以上に書きにくい作文であった。早くから感想文ではなく,自分の意見文を書く練習をする必要がある。読解では,高校受験教材で該当する分野を解き,受験までに私立の中堅レベルの論説文まで読めるようにしておきたい。また語句の意味や文章が書かれていることの背景にまで触れておく必要があるだろう。

問題5は昨年と同様,対話形式の文章とテーマに上げられている文章の原文とその現代語訳となった。今回は「百人一首」と藤原定家の考えがテーマの中心となっており言葉の大切さについて話題が進んでいることを読み取る。問1は傍線部のあとの文章をしっかりと読めば解答できる,ここはしっかりと得点しておきたい。問2は発言者の意図を問う問題。「つながる」というキーワードがこのあとの会話の中心になっていることに気がつけば選択肢を選ぶことができる。問3は現代文から古文に相当する部分を抜き出す問題。ここは易しい。問4,ここは対話の内容がどのように完結したのかを理解させる問題。難易度は高くないが,試験時間が足りなくなってミスをする受験生もいたのではないか。問5は例年出題される単語の意味と単文作成。「もとより」の意味を理解し,主語と述語のある文を作成する。文脈からも「もとより」の意味を理解できるため,易しめ。基本的に古文を読むというより,対話の進行と話されているテーマをしっかりと理解することが必要となる。古文知識を必要とする問題はあまり出題されないので,繰り返し過去問や都立模擬試験等を使って演習するのがよい。

全体的に難易度も変わらず平均点も大きく変動しないと思われる。国語の対策としては,まず「記述力の向上」と「論説文への対応」が重要になってくる。特に論説文はいろいろなテーマの文章を読み,そこから語彙力を増やしたり主張を読み取ったりする訓練が必要だろう。また読解力は短期間で身に付くような物ではないので早い時期からの文章慣れが望ましい。

 Posted by at 2:59 PM

都立高校平成26年度数学[共通問題]問題分析

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3月 012014
 

全体コメント:
難易度は昨年と比べて易化。ただし,学習指導要領の改定により新しく追加された単元・項目について基本的な問題をこなしておかなければ取りこぼす可能性はある。

大問1:小問集合
学習指導要領の改定の影響が最も強く出ている大問。問6は二次方程式の計算は平成15年度の問題形式変更移行で初めて解の公式を用いる。問7は中1「資料の整理」からの出題。問8は回転移動を取り入れた作図。いずれも過去問以外の対策していないと取りこぼす可能性がある。問8の角度計算はここ数年で圧倒的に易しい。それ以外の問については例年並の難易度。

大問2:場合の数,式の利用
例年大問1に含まれていた「場合の数」の出題を問1に移動。文字による説明能力を問う問2は自ら新しい文字を設定する必要があり,ある程度の実力がない場合は手詰まりとなるだろうが,そこをクリアできれば証明自体は易しい。

大問3:二次関数
問1は「二次関数」からの出題の場合は頻出の変域を問う問題で易しい。問2(1)もぼぼ例年通りだが,条件とあうグラフを自力で書き込む必要があり,問自体はきわめて易しいが問題の読解力を問うているように感じる。問2(2)は問2(1)同様に条件のグラフを書き込むことができ,座標を文字で置くことに慣れていればそれほど難しくはない。

大問4:平面図形
3問中2問は図の三角形PCQが30°,60°,90°の直角三角形であることを利用する。ここに気付けば角度を文字で表す問1は易しい。問2(1)の相似の証明は驚きの易しさ。教科書の例題レベル。問2は例年通り実力が問われる問題。平行線や問1で利用した30°,60°,90°の直角三角形に再び注目しつつ,三角形の底辺の長さと面積の比の関係を丁寧に用いればよい。ただし、どの部分の比を用いるかで少し迷うかもしれない。

大問5:空間図形
問1は易しい。計算の必要もない。問2はまずどのようなアプローチを使うかで迷う。ぱっと思いつくのは三角形ADQを底面としてPからの底面に下ろした垂線を求めていく方法だろうが,これだと手間がかかる。そこで見方を変えてQPをPの方に延長してBCとの交点を点Rとし,三角すいQ-ADRの体積から三角すいP-ADRの体積を引くという考え方をとると,与えられている長さのみでいとも簡単に解答にたどり着く。発想の柔らかさが問われる。

 Posted by at 10:24 PM

都立高校平成26年度英語[共通問題]問題分析

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3月 012014
 

大問1 リスニング
スピードが例年より速かった。過去問にないスピードに戸惑った生徒も少なくないようだ。
問題Aでは対話文1でスピードの速さに面食らってしまって落ち着いて答えられなかった生徒もいたようだ。対話文2で数字が多く出てくるので,判別が若干難しかった。
問題Bでは,Question1の問題が難しかった。場所を特定することもさることながら,asを聞き取るのが難しかったと思われる。Question2でも数字の後にin the afternoon を付け加えられなかった生徒も少なくないと思われる。

大問2 小問×3,自由英作文
1は道順を問う問題で,平易であった。2は最後までしっかり読まないと選択肢の判別ができず,時間をかけてしまう生徒も少なくなかったであろう。3は文の量が多くなく,解き易かったと思われる。自由英作文は例年通り。

大問3 対話文
文章は長くなく,全体はここ数年並みの問題であった。問1の内容理解では,傍線部のしばらく後にヒントが出てくる問題で昨年と同じパターンであった。問2の省略語句を答えさせる問題は,例年の問題と同じ。問3, 5の内容理解問題も例年通り。問4のgetを入れさせる問題は,直前にget a tableの表現があったので入れ易かったと思われる。問6のthankを動詞としてとり,過去形に変換して答える問題にはてこずった生徒が少なくないであろう。

大問4 長文
文章は長くなく,内容も特に難しいものではなかった。問1では前置詞aboutの後ろをingにできていたかがポイント。問2の本文の内容の流れに沿って並べる問題は,内容の範囲が文章全体に及んでおり,きちんと全文を読ませようという出題者の意図が伺える。問3の内容一致では,(3)が出来事の時間的流れをしっかり把握していたかが問われており,差がついたのではないか。問4 の英問英答では,(1) Whyに対して,To 動詞の原形で答えさせる問題。Becauseで答えさせる問題はH23,22,16,14,11などよく出題されてきたが,記述でこの答え方をさせたのは最近では初めて。(2) はwillをwouldにyourをhisに変えさせるところが難しく,差がついたものと思われる。H22の問題に似ているが,今回はwouldが近くに示されていたので,当時よりはやり易かったのではないか。

 Posted by at 9:56 PM

都立高校平成26年度社会[共通問題]問題分析

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3月 012014
 

平成27年度社会の入試分析はこちら(15/02/27)。

昨年度平均点51点を受けて,全体的には若干易化したものと思われる。問題傾向は昨年度と変わらなかったため,見慣れない問題があって解き方に苦慮するといったことはなかったであろう。記述問題は条件がはっきりしていて,読み取る要素が少なかったため,昨年より多少やり易かったのではないか。しかし,選択肢の問題では,ヒントが少なく,解答が絞りにくい問題があった。

大問1
問1 風と海流に矢印の方向を記入させ,寒流か暖流かを判断させる問題はH21年に出題された問題とまったく同じ形式であった。H25,24,23と連続で出題されていた写真から判断させる問題は出題されなかった。問2 種子島を特定させる問題。問3 裁判員制度と用語を書かせる問題。3題とも例年並みの難易度か若干易化したと思われる。

大問2
問1 世界の雨温図から地域を特定させる問題。例年並みであった。問2 日本企業の進出している上位の国からイギリスを選択する。ヒントが少なく,アメリカと混同した生徒も少なくないと思われる。少々難。問3 文と貿易額統計からマレーシアであることを読み取る。インドネシアとの違いに戸惑った生徒もいたかもしれないが,文章にヒントがあり読み取れたどうかで差がついた。3題とも例年並みの難易度であったと思われる。

大問3
問1 文章から日本の県を特定する問題。4つの選択肢全て正解する必要があるのはここ数年通り。今まで同様,文章に多くヒントが隠れているのでそれを探せたどうか。H25, 24年度の問題と一部同じ県が出題されており,過去問をしっかりやった生徒には有利であった。問2 文章とグラフから県を特定する問題。文章をしっかり読めば解答できる。問3 第3次産業に従事する人が増え,分類される業種が増えたことを読み取る。条件をきっちりふまえれば書けるはずである。3題とも例年並みの難易度であったと思われる。

大問4
問1 例年通り,時代順に並べる問題。アが戦国時代を指していること,イが鎌倉時代を指していることが読み取れたかどうか。問2ヒントの井原西鶴,西廻り航路から元禄文化の時代を特定する問題。江戸初期と間違えた生徒も少なくないと思われる。少々難。問3 玉川上水とその分水が作られた理由を書く。政策に着目して,という条件付けがやや難しかったと思われる。大問4は問われ方が若干変化しており,少々難化したのではないか。

大問5
問1 公民の用語を答える。易しかった。問2 租税収入,公債発行額,歳出総額のグラフと文章から適切な時期を答える。それぞれのグラフが何を指しているか自分で答えを出す必要があり,考える力を要求される問題であった。問3 国民年金の今後の課題について記述する。条件をしっかりふまえて書けたかどうかが問われた。大問5は問2で差がついたのではないか。

大問6
問1 地図の読み取り。久しぶりの出題だが,例年のものより,少々難しかったようだ。問2 1961年から78年の間の環境保全に関する出来事を特定する。最近起こった出来事を消去していくと残ったものが解答となる。問3 二つのグラフから世界遺産登録における課題を書く。条件をしっかりふまえていれば問題ない。大問6は例年並みのレベルであった。

 Posted by at 9:52 PM