都立高校平成27年度社会問題分析

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2月 282015
 

全体のコメント:問題そのものの難易度は,昨年度とあまり変わらなかったか若干易化した印象を受ける。選択肢を選ぶ形式になったことにより,絞り易くなったため,全体としては易化しているといえよう。選択式の問題は、大問2の歴史地図の問題を除き,これは厳しいという問題はなかった。大問5と6で現代のことを問う問題が増加した。それによって、普段から社会の動きに興味・関心のある生徒には有利だったが,反面難しいと感じる生徒も少なくなかったと思われ,ここで差がついたことが予想できる。ここ2年間難化していた記述は,条件付けが緩やかになり,やり易くなったのではないか。

学習の対策:知識としては,学校の定期試験をしっかり行っておけば必要なものの大半を補うことができる。ただし,単に知識を詰め込む学習では高得点は望めない。地図,グラフ,文章で要求されている意図を読み解く力をつけていくことが必要である。記述問題では,「何を問われているのか」を正確に読み取って,条件をしっかり踏まえて的確に答える力が求められている。書く練習が必要である。

大問1

問1 純粋な地図の問題。基本的な地図記号を押さえていれば難しくない。問2 鳥羽伏見の戦いが始まった場所を特定させる問題。歴史地図を答えさせる問題としては,近年にない難しさだったのではないか。ちなみに、ここは教科書によって,地図が載っているものと載っていないものに分かれている。問3 公民の用語問題。易。

大問2

問1 世界各地の雨温図から地域を特定させる問題。リオデジャネイロとシドニーの区別で若干迷ったかもしれないが,選択肢が提示されいたため,絞り易かったのではないか。問2 図表から韓国を特定させる問題。消去法で残りの国をしっかり落とせれば難しくない。問3 ヨーロッパ最大の工業国という記述ですぐわかったはず。それがわからなくても数値から,特定できるため,易しい。

大問3

問1 文章から日本の県を特定する問題。難易度はここ数年の問題と変わらない。過去問演習でヒントの探し方に習熟していれば,できたはず。問2 数値から2択に絞ることができる。文章をしっかり読めば簡単に解答できる。問3 若年層の定住者を増加させる町の事業の目的を読み取る。理由と目的をしっかり書き分ける。

大問4

問1 例年通り,時代順に並べる問題。唐,宋,ポルトガルといった外国の名からも順序を特定できた。問2 略年表と文章から時期を特定させる問題。例年,この問題は正答率が低かったが,参勤交代のヒントがあったため,解き易かった。 問3 図表で使われている地名や用語をしっかり使って記述できたかどうか。問4 明治から現代までを時代順に並べる問題。戦後の区別に迷った生徒もいたかもしれない。

大問5

問1 地方自治のはたらきについて問う問題。言葉の意味を理解していれば間違えようがない。問2 住民から首長への権利・権限の行使を問う問題。公民で単語を除き,唯一知識を求められた問題。ただし,知識がなくとも2択までは絞れる。問3 地方財政歳入の項目別割合をグラフから読み取る。割合の変化の大きいもの,という指定を総額が大きいものととらえ間違えた生徒が少なくないと思われる。問4 産業と雇用の両面をしっかり書けていたかどうか。

大問6

問1 地図,グラフ,文章からシンガポールを特定する。物流拠点として中心的な役割を果たす,情報通信・先端技術産業に力を入れているとの文言から,簡単に特定できるはず。さらに外国人訪問者数の多いフランスを落とせると盤石だが,インターネット普及率の高い二つの国までは選べても,最後の決め手を探せなかった生徒は少なくないかもしれない。問2 選択肢が全て1990年以降を扱うという初めての問題。社会に興味・関心があるかどうかで差が出た問題の一つ。円安が進むと輸出が増加し,円高が進行すると輸出が減少するという基本通りになっている時期を特定する。極めて簡単な問題だが,1990年以降の社会の変化を表す内容にピンと来ないと苦しいかもしれない。問3 国際協力の変化についての記述。資金協力と技術協力の違いを文章から読み取って,変化を的確に答える。例年通りの問題であった。

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都立高校平成27年度理科問題分析

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2月 282015
 

全体コメント:昨年よりやや易化。問題文や資料の情報量が多く,解答に必要なポイントを確認するのに時間を要する点は昨年と変わらず。各設問自体の記述が素直になったため,やや解きやすくなった。80点前後までは取りやすいが,9割を取るのは難しいだろう。なお,配点に変更があった。例年大問1,2が4点×10問,以降各設問ごとに5点(記述と記号合わせての問い含め)から,全問各4点に。

学習の対策:まずは教科書にある理科の用語を確実に身につけ,公式等を使いこなせるようにすること。問題のレベルとしては基本的なことをしっかり理解していれば対応できる。計算もそれほど多くなく,複雑なものはない。注意する必要があるのは問題文の長さや図表やグラフの多さ。「何を問われているのか」「どの図表を確認すればよいのか」を丁寧に正確に読み取るトレーニングをすること。

大問1:小問集合

問1は動物の体のつくりについて。基本的。問2は実験の操作について。基本。問3は金星の見え方について。基本例題レベル。問4は電解質の溶け方について。基本。問5は植物の増え方と体の作りについて。種子植物以外の体のつくりをしっかり把握しておく必要がある。基本。問6はオームの法則を使いこなせれば確実に答えにたどり着く。また,直列つなぎと並列つなぎの性質の違いを理解していれば比較すべき選択肢は限られる。

大問2:小問集合

問1は密度に関する問い。どのよう比較するのかでやや迷うか。問2は刺激と反応について。基本。問3は音の伝わる速さについて。基本的な計算問題。問4は天気図の読み取り。最終的には低気圧と高気圧の風の吹き方が決め手となる。やや難。

大問3:地層(中学1年範囲)

問1は示相化石と示準化石の知識についての問題。基本的。問2は柱状図の比較の問題。全体の地層の重なりを示す図3でE地点の場所を確認すればよい。苦手とする生徒が多いが,出題形式としては典型的。問3は選択肢はれき・砂・泥の堆積する環境の違いについて。選択肢の文章が長いことに惑わされないことが重要。問われている知識は基本的。記述は都の公表した正答にある「流水によって運搬される」の部分を書ききるのはやや難しいか。

大問4:植物(中学1年範囲)

大問で扱う実験は教科書に必ず出てくるもの。問1の選択肢左側は実験のしかたの基本の確認。実験の流れを押さえていることが必須。選択肢右側は実験結果の読み取り。こちらは基本的。問2は呼吸と光合成についての知識と実験結果の読み取り。基本的。問3は必要な情報を拾うことにさほど手間はかからないが,正答にある「成長に必要なデンプンが多く作られる」を明解に書けたかどうかがポイント。

大問5:化学変化(中学2年範囲)

問1は化学変化の際の物質の質量比について。基本的。選択肢の形式が見た目としては新しいが戸惑うほどのことではない。問2は,まず選択肢A,Bについては問1と同様に化学変化の際の物質の質量比について。次に選択肢C,Dは実験結果の読み取りを踏まえ,条件を変えた別の実験をするときの結果の予測。基本的。問3は実験1の結果1から酸素と結びついたマグネシウムの量を割り出し,反応していない残りのマグネシウムの質量を求め,結果2と照合する。的確なデータの活用を求められる。解答のプロセスがやや難。

大問6:運動とエネルギー(中学3年範囲)

問1は力の大きさについて。基本的。問2は仕事の大きさの計算とエネルギーの移り変わり。基本的。問3は記述問題については「平均の速さ」を表すグラフの書き方を押さえられていたかどうか。やや難。問3は結果2でも確認でき,また動滑車のしくみを知っていればなおよい。基本的。

文責:伊藤大介(中学部理科担当)

 Posted by at 5:15 PM