6月 022017
 

昨日は、中1のある男の子(K君)が、
前回分の数学の授業について質問があるということで、
授業前、小一時間ほど早く教室にやってきました。

「自発的に来て偉いなぁ」と思うと同時に、
「やはり来たか、お待ちしておりました!」
という感覚もあり、大変うれしく思いました。

ところで、当塾では、
生徒の一人ひとりと視線を合わせて授業をすることを
(人と人とのコミュニケーションなので当然といえば当然なのですが)
研修段階から常に徹底しています。

これは、意思疎通の効率といった点も重要なんですが、
むしろ、当該授業中に、授業者が、生徒の目を見ることによって
当該生徒の理解度を把握できる、ということがより大切な狙いの一つなんですよね。

何しろ、生徒の理解度は如実に目に現れるものですから。

さて、話を元に戻しますが、
確かに、先日の数学の授業のときのK君の目には、

「迷っています!」
「謎です!」

というサインがありありと出ていました。

こうしたとき、
授業者としては大きく2つの選択肢が
与えられていると思います(ここは講師の腕のみせどころだと個人的には思っています。)。

選択肢とは、つまり、

1.授業の場でそのサインを解消できるように手を尽くす
2.すぐに解説をせずに見守る

というものです。

いずれの選択をするかは、
①そのクラスの習熟度や
②当該生徒の自立学習の確立の度合い、
③授業者の経験に裏打ちされた展望を含めた当該生徒への期待、
等々の具体的な事情を総合的に考えて決められるべきものだろうと思います。

さて、今回は、K君への期待を込めて、私は2番を選択しました。

いや、2番の選択肢って指導の仕方として不親切なんじゃない?と
感じられる方もいらっしゃるだろうとは思うんです。
一般的は感覚としては、ごもっともと思います。

ただ、当塾は、塾生の学びの姿勢を確立するお手伝いをすることも、
それが第一志望校合格の確たる手段として、また、それ自体が目的として
とても重要だと思っています。

ですから、イチからすべてを教え尽くす、
ということはむしろあまりしないかもしれません。
その意味で、講師の研修時には、生徒に考えさせることを
重視するように指導しているほどです。

それでですね、疑問に突き当たる、というのは、
学習者にとってはとんでもないストレスだとは思うんですが、
それは同時にチャンスでもあると思うんです。

どんなに些細なことでも、
うーんとうなって自分で正しい理解・解釈という意味での正解にたどりつくと、
無理に覚えたものよりも、遙かに早く・確実にその生徒の血肉になります。

こうしたプロセスを経た場合、
ほんとに「スッキリ!!」となりますしね。

この「スッキリ!!」が学びの面白さ、醍醐味の一つだと思います。
その意味で、ぶち当たった疑問というものは、
次のステップへの小さな種なんですね。
大事ですね。

ですから、塾生自身に気付いてほしいんです、
多少遠回りしても。
その方が絶対勉強に対して前向きになれますから。

昨日の中3国語で扱った小川洋子先生の作品風にいうなら、
その気付きが、当該塾生「にとっては意味深い印」になるのです。
何しろ、「それが自分の力で刻みつけた足跡」だと実感できるからですね。

さてさて、話がアチコチに飛んで、
読みづらくてすみません。
今度こそ元の話に帰ります。

K君は、教室に来たとき、
先日の授業内容について、
一渡り自分で考えた上で質問を浴びせてきました。

また、自分で考えた仮定に基づき、
宿題にも手を入れられていました。
当然のことながら、中には誤解もありましたし、
訂正が必要な部分もありました。

ですので、こちらから多少の問答を交えつつ、
軌道修正をしてもらいました。
しかし、K君が自分で考えを煮詰めてきた分、
はるかにこちらの説明の言葉は少なくてすみました。

そのことは、

私の労力が減る

などという心からどうでもよい利益の裏返しに、

K君が、当該問題について、より理解を深められた(!!)

という何物にも代えがたい利益を
彼がつかみ取ったんだということを私に実感させるに十分でした。

その証拠に、彼が質問をしてきた問題の次にあった発展問題、
それも発展テキストの発展問題なのでなかなかの難易度ですが、
それをものの10秒かからずに解きました。

まさに驚異的な進歩です。

にっこり、いい笑顔も見られました。
あの瞬間、K君も「スッキリ!!」を味わえたんでしょうね。

こうなると、むしろ、質問に来た(あるいは来なければならなかった)K君は、
質問に来ない(あるいは来なくても済んだ)メンバーを追い抜いたかもしれませんね。
こうした切磋琢磨を経て、
中1クラスがさらに発展することを期待せずにはいられない1日でした。

それにしても子供たちって、
大人の想像を超えるレベルでいきなりグンと
伸びる瞬間があります。
面白いものです。
ちょっと目を離すと置いていかれてしまうんじゃないかと思うほどです。

こうした瞬間に立ち会いたくて、
私はこの仕事がやめられません。

…今回は長くなりました。
ブログの分量というものは、
筆者の心の揺れ具合に比例するのかもしれません。

また、暑苦しい文章で毎度すみません。

季節柄、次回は少し涼しくしたいと思います。できれば。

高校受験部統括 野中

 Posted by at 7:32 PM

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