7月 072017
 

少々旧聞に属する話ですが,
今年度の都立高校入試の平均点・正答率等の調査結果が,
先月22日付けで東京都教育委員会HP(コチラです)にて発表されています。

 

当塾では,例年入試の後に,主として受験学年担当講師が実際に解答したうえで
その印象と過年度入試との難易度の相対的な評価を加え,
若干の解説とともに当塾Webサイト(コチラです)に掲載しておりました。

筆者は今年度,数学および理科の実感を記載しましたが,
期末試験も終わり,夏期講習までのつかの間の空き時間に,
実際の検査結果の調査報告(以下,調査結果ないし調査報告とします。)をもとに,
入試直後の塾見解として筆者が下した評価の振り返りをしてみたいと思います。

 

  • 数学

昨年比で全体的に難易度が上がった,との評価をしましたところ,
調査結果によると昨年比で「平均点が4.6点下降」し,
「80点以上の受検者の割合が減少」するなど,
概ね筆者の印象通りでした。

なお,「今年度は,分布のピークが昨年度と同様50点~54点となり」
との記載がありますが,平成28年度の得点分布をみてみますと,
「分布のピークは」どうみても65点~69点であり,
「昨年度と同様」との文言は誤りではないかと思われます。

 

さて,個別の問題についていくつかコメントしてみましょう。

まず,大問1の問9,作図の問題です。
正答率67.3%とあります。実感としてやや高いと思われます。
ただしこの数字,☆マークがついていて,その意味は,
「部分正答も含めた割合」ということなんですね。

…部分正答を「正答率」に含めていいのか????

という素朴な疑問が渦巻く訳ですが,一旦ここは措きます。
作図に部分点があるということを筆者は不勉強にして知りませんでした。
通常,模擬試験などでは部分点は一切無いですから,
それが常識かと勘違いしておりました。

では,どのように採点されているのか。

それを確かめるため,
本年2月24日教育委員会発表の解答および採点基準を見てみました。
ところが,そこには何らの基準も示されておらず,むしろ

「各学校において……『部分点の基準』を作成……できる」

と記載があり,要するに受験校のさじ加減で,
ある学校の受験者は部分点がもらえて,
別の学校の受験者は部分点がもらえない
という事態が生じうることとなります。
またそれを都教委は容認しているということですね。
もっとも,このようなこととなっても,
個別の学校内でのみ選抜が実施されることを考えると,
特段の不都合はないわけです。

しかし,そうだとすれば上記のように
部分正答を全体の統計としての「正答率」に
含めることはできないんではないかなと
ますます謎は深まるばかりでした。
大問1の問9だけにどんだけ分量を割いているのかという
新たな疑問に苛まれながら,ずばっと一言でまとめますと,

論理的に考えて,ここの正答率はこんなに高くないでしょう,

という,なんのことはない,ただそれだけなのでした。
長々と失礼いたしました。

さて,次にいきましょう。

大問2の問2です。
☆マーク付きで正答率11.0%となっています。
昨年度の同番号正答率が14.8%ということから,
難易度は微上昇というところでしょうか。
ここも概ね印象に近い結果といえるかもしれません。
もっとも,大問全体の正答率は
本年度が39.9%だったのに対し,
昨年度は30.9%なので,
実は易化したというのが正確なのかもしれません。

この原因ははっきりしています。
問1が選択問題となったことで大幅に解答しやすくなったためです。
正確な学力を測ることが試験の目的だとすれば,
数学で選択問題を出すのは今後やめた方がいいと思いますね。
ここの問1は,非選択問題であった昨年の正答率が46.9%と
なかなかの難易度だったのに対し,
選択問題化した本年の正答率が68.8%と
基本ないし標準レベルまで大幅に引き下げられています。
概ね印象どおりだったと言ってよろしかろうと思われます。

長くなってしまいましたので,

以下,次回更新に続きます!

 

 

高校受験部統括 野中

 Posted by at 5:42 PM

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