都立高校平成26年度社会[共通問題]問題分析

平成27年度社会の入試分析はこちら(15/02/27)。

昨年度平均点51点を受けて,全体的には若干易化したものと思われる。問題傾向は昨年度と変わらなかったため,見慣れない問題があって解き方に苦慮するといったことはなかったであろう。記述問題は条件がはっきりしていて,読み取る要素が少なかったため,昨年より多少やり易かったのではないか。しかし,選択肢の問題では,ヒントが少なく,解答が絞りにくい問題があった。

大問1
問1 風と海流に矢印の方向を記入させ,寒流か暖流かを判断させる問題はH21年に出題された問題とまったく同じ形式であった。H25,24,23と連続で出題されていた写真から判断させる問題は出題されなかった。問2 種子島を特定させる問題。問3 裁判員制度と用語を書かせる問題。3題とも例年並みの難易度か若干易化したと思われる。

大問2
問1 世界の雨温図から地域を特定させる問題。例年並みであった。問2 日本企業の進出している上位の国からイギリスを選択する。ヒントが少なく,アメリカと混同した生徒も少なくないと思われる。少々難。問3 文と貿易額統計からマレーシアであることを読み取る。インドネシアとの違いに戸惑った生徒もいたかもしれないが,文章にヒントがあり読み取れたどうかで差がついた。3題とも例年並みの難易度であったと思われる。

大問3
問1 文章から日本の県を特定する問題。4つの選択肢全て正解する必要があるのはここ数年通り。今まで同様,文章に多くヒントが隠れているのでそれを探せたどうか。H25, 24年度の問題と一部同じ県が出題されており,過去問をしっかりやった生徒には有利であった。問2 文章とグラフから県を特定する問題。文章をしっかり読めば解答できる。問3 第3次産業に従事する人が増え,分類される業種が増えたことを読み取る。条件をきっちりふまえれば書けるはずである。3題とも例年並みの難易度であったと思われる。

大問4
問1 例年通り,時代順に並べる問題。アが戦国時代を指していること,イが鎌倉時代を指していることが読み取れたかどうか。問2ヒントの井原西鶴,西廻り航路から元禄文化の時代を特定する問題。江戸初期と間違えた生徒も少なくないと思われる。少々難。問3 玉川上水とその分水が作られた理由を書く。政策に着目して,という条件付けがやや難しかったと思われる。大問4は問われ方が若干変化しており,少々難化したのではないか。

大問5
問1 公民の用語を答える。易しかった。問2 租税収入,公債発行額,歳出総額のグラフと文章から適切な時期を答える。それぞれのグラフが何を指しているか自分で答えを出す必要があり,考える力を要求される問題であった。問3 国民年金の今後の課題について記述する。条件をしっかりふまえて書けたかどうかが問われた。大問5は問2で差がついたのではないか。

大問6
問1 地図の読み取り。久しぶりの出題だが,例年のものより,少々難しかったようだ。問2 1961年から78年の間の環境保全に関する出来事を特定する。最近起こった出来事を消去していくと残ったものが解答となる。問3 二つのグラフから世界遺産登録における課題を書く。条件をしっかりふまえていれば問題ない。大問6は例年並みのレベルであった。