平成30年度都立高校入試【数学共通問題】入試問題分析

《本年度出題の概観》

昨年の平均点の低さを受けてか,本年度の問題は全体的にかなり易化したと評価できる。完全な揺り戻しといえよう。例えば,昨年度,大問1に移っていた変域の小問が大問3の小問1に帰ってきていたり,大問2の証明問題が模擬試験や一般の都立対策問題集などで検討され尽くされている円柱の表面積・底面の円周に関する出題だったり,大問5までも昨年比で明らかに問題の密度に低下が見られたりするなど,冒頭の評価を支持する事実が盛りだくさんといった風情である。

《当塾の都立共通数学への対策》

まず、取りこぼしが許されない大問1については、徹底した反復訓練により,想定されるありとあらゆる小問をドリル的に実施する。例えば,当塾の授業においては,授業内外でプリントを配布し,訓練開始当初は15分程度で,最終的には7~8分程度で満点を取れるようになるまで鍛える。次に,その他の大問については,難易度に若干の振れ幅があることを踏まえ,基本問題に絞って確実に得点できるように指導する。具体的には,①都立特化型問題の標準問題までを反復,②当該年度実施の模擬試験を,こちらで指定した個所を反復,といった具合である。定期テスト問題と質が異なるので,コツをつかんで得点が伸びるまで多少の時間を要するが,ここまでで,おおよそ杉並~井草といったレベルの志望生については,当該受験生の内申点にもよるが,おおむね十分な対策となりうる。

他方で,内申点が心許ない井草志望生や,豊多摩以上のランクの高校を目指す受験生については,これだけでは当然不足である。そこで,こうした受験生については,やや難レベルの出題まで貪欲に食らいついていけるよう,全国の公立高校の入試問題などで鍛錬する。特に,愛知や熊本,兵庫といった他県の問題は,難易度が高いうえに問題の質が良く,当塾指導者も積極的に授業に採用している。解答の流れを見抜く視野は,こうした問題に数多くに触れる中で鍛えている。従って,塾生は①宿題をこなし,②解き直しに取り組むことで自然と得点力が伸びる。

《参考:本年度当塾塾生の数学平均点 70.4点》

なお,部分点のある問題については,生徒からの聞き取りのもと,都教委発表の採点基準に照らして,おおよそで採点。証明問題の配点14点のうち,①0点…5.6%,②5点…5.6%,③7点…38.9%④8点…11.1%⑤10点…33.3%⑥14点…5.6%,となった。

以下に,本年度数学共通問題の若干の解説を添付します。
本年度数学共通問題の解説はこちら

高校受験部統括 野中